見せ方はちょいとおめかし、みだしなみ。
こんにちは。
ブランディング・ライターの栗原貴子です。
前回の記事で
世間からみた「自分」や「商品」という視点ではなく。
これからは、
「自分」や「商品」をどう世間に見せていくかを、
自分が決める時代なんだなって思うのです。
と書きましたが、お風呂に入りながら考えていたところ、
少し、言葉足らずだったなあと気が付きましたので、補足しますね。
まず、
「世間からみた「自分」や「商品」という視点ではなく」
これは、
「どう見えるだろうか?」
と誰かの反応を気にした見せ方、という意味です。
人の目を気にして
「よく思われたい」と考えちゃうと、
実像以上に「よさそう」に見せようとしちゃいますが、
そういうのは、商品広告の場合、行き過ぎると「誇大広告」になります。
そして、
「『自分』や『商品』をどう世間に見せていくかを、
自分が決める時代なんだなって思うのです」
これは、
実際の姿を修正し過ぎず、盛りすぎず、
はたまた過小評価しすぎずに
見せることが大切だと考えています。
某ファミレスのメニューがかなりズルくて衝撃を受けたことがあったのですが、
メニューのハンバーグの写真にはフサフサのでっかいブロッコリーがドーンと添えてあり
ブロッコリー好きの私はひそかに期待しておりました。
が、
実際のブロッコリーは「しめじ」みたいなサイズでえらく失望いたしました。
このように、
さも実話かのように見せかけた「盛る」方向性での修正はもちろんのこと。
「控えめ」が行き過ぎて「大したもんじゃありませんので」みたいな「下げ」方向での修正もいただけません。
「下げ」の場合、「下げてる!!」とは気づかぬことが多いのですが、「どうせ私なんて……」と思いがちな人は、無意識のうちに「大したもんじゃありませんので」みたいなアピール不足状態に陥りがちです。
かくいう私がこのタイプだった。
うそだ~?って思う人も多いだろうけど(笑)。
中小企業の会社案内を作成するときなどは、「え? それってスゴいの?」と経営者ご自身がスゴさに気が付いていない、ということもあります。そういう「スゴさ」をきちんと整理して文章化し、ヴィジュアルでも見せることで外部の方にも「スゴさ」が伝わり、結果、よいお取引ができるようになったと喜んでいただけるようになります。
また、商品開発に長い年月と莫大な費用がかかるような商品では、「この発明がスゴいんです!!」とスゴさには気づいていらっしゃるものの、「あ~、素人さんにはちょっと専門的過ぎて分かりませんねえ」ぐらいに詳細に伝えようとしすぎて、話を盛っているのではなくて「大盛りライス」的な「盛りすぎ」によって過剰になりすぎて「食べきれません!」「消化しきれません!」というパターンもあります。
そういうときは、ベスト3を決めていただき並盛ライスに調整いたします。
もちろん「キレイに見せる」ことは大切ですが、例えるならば、「キレイに見える服を選び、美容院に行って、お化粧してプロに写真を撮ってもらう」、”みだしなみ”くらいの感覚がちょうどよいと思います。
この「見せ方」についてのご説明は、「合コン」に例えると、ご理解いただけることが多いのですが、合コン前に「え?別人?」ってぐらいに修正しまくった写真が流布してしまったら、当日、初対面の異性のグループにがっかりされるのは当たり前です。さらに『別人レベルにまで写真の修正をほどこしている』ということが心証を悪くし、好感度はダダ下がりになることでしょう。
または、
写真を求められて「いやいや、私なんて」と、うつむき加減の逃走中の犯人の防犯カメラ画像的な「人相がはっきりと分からない」写真を送るのもかえって失礼というもの。
この例えにより、適切な「実像との距離感」をつかんでいただけますと嬉しいです。
実像や実際の商品やサービスに自信を持っていれば、それをそのまま伝えればいいだけなのだけど。
その「自信」が持てなくなることも、商売をしていれば、誰の身の上にも起こりますよね。
「そのまま伝える」ということについては、事業の規模の大小によって事情が変わる部分もあるのですが、規模が小さくなればなるほど、最小単位は私のような個人事業主ですが、「実像に忠実」であったほうがいい、と思います。
小規模ビジネスや個人の場合、世の中の風潮の中で作られた「かくあるべし」に「習うべし」って感じでそこに近づけようとしてしまい、ドツボにはまることがまま、あります。ときに、近づくようにと人から言われることもある。その「かくあるべし」自体が「なんか違うんじゃないの?」と薄々思っていたとしても。
けれど、「かくあるべし」に近づけないと落ち込むし「どうして私はダメなんだろう」って悩むし。「みんなは手に入れているのに!!」って。「みんなはやっているのに!」って。
負のスパイラルに陥ります。
まあ、そうなるとドツボだよね~。
って、私自身がドツボにハマったから言えるのだけども(笑)
舗装道路を突き進んでいる男性以外の、獣道派の人たちは「うわっ、こんなところに崖が?」とか「うっかり転んで泥だらけ」とか「え? 毒蛇?」とかに遭遇するのは避けらないのだけど。「いかにも、順風満帆ですが、何か?」と虚勢を張らなくてはいけない!!と思いこんでしまいがちでもあって。
「かくあるべし」に近づけるように頑張り始めがちです。
私が「自信が持てない」状態になったとき、ひたすら「かくあるべし」を頑張ってみました。けれど、やればやるほどドツボにはまりました。
もう、泣きそう。
でも、泣きそうになりつつも「世間でいうところの『かくあるべし』、薄々違うんじゃない? って思ってたけれど、やっぱり違うんだ!」という確信にもなりました。
だってさ、ちょっと唐突だけれども。
86年に男女雇用機会均等法が施行されて、「男女平等よ」ってことになったじゃないですか。でも、30年たっても「女性が働く」ことに社会はまったく寄り添ってないですもの。いまだに保育園不足、保育士の賃金の問題は解決されていないし。30年って子供が生まれて成人して親になれちゃう年月。なのに、今なお「一億層活躍社会」とか言ってるわけで。
このことだけでも、世間の「かくあるべし」を疑う根拠になると思うのです。
なので、私も「実像をちょいと”おめかし”みだしなみ」ぐらいの感覚で、盛らず下げずにいきたいと思います!!
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