♪地球はひ・と・つ♪
こんにちは。ブランディング・ライターの栗原貴子です。
私はときどき無意識のうちに幼稚園児ですか? な行動をしては人々を困惑させてしまいます。優しく表現すれば「無邪気」ですが、「大人げない」とも言います。日本語は使いようでこうもイメージを変えられるのか! の見本としてご参考まで。
これは無邪気な私のお気に入りのガッチャマンTシャツです。
7~8年前になりますでしょうか。
ユニクロとタツノコプロのコラボTシャツとして販売されたのです。リアルに幼稚園児だった頃、ガッチャマンのコンドルのジョー(向かって左下の、正義の味方と言うより悪役キャラのような目つきの悪い男)に夢中だった私は「ほ、欲しい」とユニクロに行きました。が、メンズのみで2980円。
『本当に私はこれを着るのだろうか』
おうちに帰って、もう一度よく考えました。やっぱり着ない。無駄遣いはいけないと思いました。それから一か月ほどたって再びユニクロに行きましたところ、ガッチャマンTシャツは売れ残ってしまったらしく1枚500円になっていたのです。
『わ、わたしのジョーが!!』と即買いしたものの。
やっぱりほとんど着る機会はありませんでした。
寝巻にするには惜しく、状態の良いまま保管していたところ、今年買った黒のロングチュールスカートにこのTシャツを合わせるというコーディネートが「意外とナイス!」と気づきまして。この前の土曜日、お友達とのランチに着ることにしたのです。Tシャツに袖を通すと、「いよいよ、外出着として着ることができる!!」という、あまりのうれしさに無意識のうちに ♪誰だっ、誰だっ、誰だ~空の彼方に踊る影~♪ とガッチャマンの主題歌を唄っていました。
地球を守るために命を懸けている科学忍者隊ガッチャマン。じつは全員、未成年です。ジョーは高校生ですが、地球防衛をめぐる話し合いなどで「気に食わないこと」があるとぷいっと無言で部屋を出て、愛車のフェラーリに乗ってどこかに行ってしまいます。『ガッチャマン』が作られた当時、自動車の運転免許証が16歳で取得できたころだっただと思われます。ジョーがいない間に敵が攻めてきて出動。ピンチの時にどこからともなく、ジョーがやってきて形勢逆転。結果、地球が守られるという展開に園児の私はしびれていました。しかし、同じクラスの女の子は「ジョーは自分勝手だから嫌い。私はケンが好き」と言っていました。リーダーのケンは協調性も高く分かりやすい優しさがウリのタイプです。
そんな思い出を巡らせながら、
♪地球はひ・と・つ、地球はひ・と・つ、OH~ガッチャマン、ガッチャマ~ン♪
わたくしはノリノリで歌いあげました。歌詞をすべて記憶していることにおののきながら。
突如として玄関のインターフォンがピンポーンと鳴りました。
♪誰だっ、誰だっ♪
と、唄いながらインターフォンのモニターをみると宅急便が。途端に冷静になるわたくし。
『あ、しまった……』
うちはフツーの築年数古めのマンションです。小中高と合唱部だったため、いちいち複式発声してしまう私のよく通る歌声は、玄関のドアを超えて廊下のクロネコ兄ちゃんにもしっかり聞こえていたことでしょう。
ガッチャマンTシャツを着てドアを開ける私。
「あっ」と声を漏らす兄ちゃん。そうよ、朝っぱらからガッチャマンTシャツ着て唄ってたのよ!! 酔っぱらってもいないのよ! ヘンでしょ? 笑っていいのよ!
私と視線を合わさずに、ハンコをもらうと大急ぎでドアを閉める兄ちゃん。閉じられた扉に向かって私はつぶやきました。
「地球はひとつ、なんだよ」
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